八王子のレトロ銭湯「福の湯」が2021年9月23日(木)で閉業だ!急げ!

また一つ、日本の文化が途絶える

家庭風呂が普及するなか、公衆衛生のための銭湯はその役目を終えようとしているのだろうか。八王子の昭和レトロな銭湯が幕を閉じようとしている。

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八王子駅北のみずき通りに現れる宮造りの銭湯

JR中央線・横浜線・八高線「八王子駅」北口から、西放射線ユーロードを通り抜け、甲州街道(国道20号)を渡った先、ハナミズキの街路樹が並ぶみずき通りに銭湯「福の湯」がある。

距離にして約850m徒歩約11分だ。

八王子だからJR以外に京王線も利用可能だ。

京王線「京王八王子」駅からは福の湯まで距離約1km、徒歩約14分だ。

昭和レトロな宮造り建築の銭湯が鎮座

みずき通りに入って200mほど歩くと、福の湯がその姿を現す。

八王寺の銭湯「福の湯」外観
煙突&瓦の昔ながらの宮造り建築。
(2021年8月21日撮影)
八王寺の銭湯「福の湯」の営業案内
営業時間は14~23時30分金曜日が定休日だ。
(2021年8月21日撮影)

福の湯の玄関は男女で分かれず一緒。下足箱は木札でなくアルミの松竹錠だ。

店内へのドアは引き戸でなく、自動ドアにモダナイズされている。

入浴料金の支払いも券売機にモダナイズ。480円を投入し、チケット購入。最中、帰ろうとしてるおばあちゃんに、「8月から値上がりしたんだねぇ~」と話しかけられる。シルバー料金は違うのか?と思いつつ、ひきつった愛想笑いで返す。

だって、小心者だもの。


小ぢんまりとした福の湯のロビー。テーブルにベンチやソファを置いたら、通路が狭い。だから他のお客さんとすれ違う時に声掛けが大事だ。「すいません」と。
ちなみに、テレビはあるが放送してなかった。

フロントで入浴チケットを渡す。福の湯は、下駄箱の鍵と交換でロッカーの鍵が渡されるロッカーコントロール式。利用客同士で密にならないようにコントロールしていると思う。したがって、フロントには消毒液と検温器も置いてある。このご時世なので、きちんと消毒と検温をやる。

自動ドアや券売機など、昭和レトロながら所々モダナイズされている。

フロントに向かって左側が男湯への入り口だった。

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立派な格天井の脱衣所

福の湯の脱衣所もロビーに引き続きコンパクト。

ロッカー数は33くらい。一番下が縦長のロッカー、上段は正方形。フロントで渡されたのは一番下。そんなに荷物大きく見えたか?


縦長ロッカーの中は、上部にバーが一つ渡されていて、ハンガーがぶら下がってる。ハンガー使わないけど、これはこれで気が利いてる。


「脱衣所、薄暗いな」と思い、見上げたら立派な格天井だ。さすが昭和レトロ。

福の湯のトイレは和式でなく洋式。そして照明はなんと人感センサー。ここも現代的にリフォーム済みだった。


大き目のゴザのベンチが、小さな脱衣所の中央にドデンとあるので、ちょっと手狭。

さらに脱衣所内には、身長計、体重計、足ツボ刺激ボードがある。いてっ!
そして洗面所にはドライヤーが1機あり、3分20円だった。


脱衣所内で常連と思しきご老人たちがあいさつ。なんだかアットホームな雰囲気で、いい銭湯だ、福の湯。

熱湯風呂!耐えられるか?熱い湯好きにはおすすめ!

カランは壁5+島カラン(5+5)+壁6で計21。1列毎にリンスインシャンプーとボディーソープの設置あり。無料で使用可能だ!
よくある業務用のPHOENIXでなく、両方ともいい匂いだ。


シャワーのお湯は熱め。水圧は個体によるのでチョイス必須だ。小生は1回選びなおした。


カラダを清めたらお風呂に浸かる。福の湯の内湯は浴槽が2つに分かれている。

まずは白湯。個人的には熱すぎない、いい温度。壁には「40度に設定」と書いてある。 
水温計の針はレッドゾーンの46度を指していたけど、たぶん壊れてるな。

白湯の一角にはジェットの寝風呂が1人分。
ジェット水流が足裏・足首・腰・背中をマッサージ。
水圧の強さはいいけど、すべての水流が凝ってるポイントに一度にピタッとはまらない。したがって、座る位置を調整して、マッサージ箇所を変える手間が必要だ。

なお、水枕があったけど、浴槽の縁の奥で、壁にくっついているから、物理的に頭を載せられない位置だった。

また、座風呂の隣には底のマットから気泡が発生するバイブラ風呂のスペースもある。


続いて白湯の隣の健康薬用風呂。この日は「登別の湯」ということで、お湯が白濁していた。

いつか本場の登別温泉へ行ってみたいものだ・・

と思いながら、足をつけると、

あっちー!!!

足の爪が浮くような熱さ!


壁には「42〜43度に設定」と書いてある。

うっそ~~~~ん!

注)嘘。


水温計の針は46度を指している。

うん、こっちの薬風呂は水温計の方が正しい!


実家では、じいちゃんが一番風呂で45度でお風呂を入れるからわかるんだけど、たぶん体感的には45~46度くらいだろう。

ということで、白湯に戻って風呂場を見渡す。

風呂場のサッシは、コロナ感染拡大防止のため、全開で換気中。

背景画は富士山のペンキ絵。

内装は、五反田の松の湯や、世田谷奥沢の松の湯昭島の三光湯などの宮造り建築の東京型銭湯と同様に、千鳥破風部分の高い天井に白い板だが、梁や窓枠はブルーでなくエメラルドグリーンだった。背景画の富士山の空が青空だから、色を変えたのかな。


福の湯にサウナ・水風呂はない。

立ちシャワーが2つあるけど、シャワーの位置が低かった。身長180cm弱の小生はかがまないといけない。

つまり女湯を隔てる壁は低い

しかし、青少年の読者たちよ。

ばあちゃんばっかだと思うよ。

残念!

注)覗きはダメ!

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2021年9月23日(木)の営業をもって福の湯は閉店!

この日福の湯へ銭湯ランしたのは、20年ぶりくらいに昔住んでいた高幡不動を訪れ、懐かしさと悔恨に胸かきむしられた後、涙と汗を流しに来たのだ。

そしたら入店前に衝撃の「閉店のお知らせ」が。

八王子の銭湯「福の湯」の閉店案内
「ご愛浴」って言葉があるんだね。下品な小生は「愛欲」しか知らない。(2021年8月21日撮影)


券売機導入など所々を現代化しているのに、施設老朽化で泣く泣く閉業だなんて。
小生は八王子に住んでないから頻繁に来れないけど、今まで福の湯で愛欲してたじいちゃんばあちゃんはどうすんだ!

あ、

ちが・・・・・(焦

愛"浴"ね!


八王子に残る銭湯はあと稲荷湯かな?
非常に残念だ。

最後に福の湯に入ることができたのは運がよかった。

お疲れさまでした。

終わり

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