川崎・矢向の縄文天然温泉「志楽の湯」はコンセプトへのこだわりが半端ない隠れ家的スーパー銭湯
月例川崎マラソンの汗を流しに矢向駅近くの縄文天然温泉「志楽の湯」へやってきた。
矢向駅から徒歩6分と駅チカ!駐車場もあり!
縄文天然温泉「志楽の湯」はJR南武線矢向駅から徒歩約6分、距離にして約450mと公共交通機関を利用してアクセスできる駅チカスーパー銭湯だ。
最寄り駅は矢向駅だが、矢向駅の東側に「志楽の湯」は位置するので、住所は川崎市幸区だ。
通りからは縄文天然温泉「志楽の湯」 の建物は見えない。緑に囲まれ、看板もなく、スーパー銭湯があるとは到底思えない。
草藪の開けたところにさりげなく掲げてある小さな看板に、かろうじて「志楽の湯」が読める。しかし、自然木を使用した看板は割れて、肝心の「温泉」の文字が読みづらい。
通りすがりの人はまず入ってこないし、「あ、ここスーパー銭湯なんだ。今度行ってみよう」なんてことにもならないだろう。
縄文天然温泉「志楽の湯」 は駐車場も60台分用意されている。駐車料金は無料だ。
分岐地点には看板が立っている。左へ行くと蕎麦レストラン「志楽亭」。右へ行くと銭湯「志楽の湯」。川崎にいながらハイキングしてる気分。
すると、古民家みたいな建物が現れる。
午前10時から営業開始!
志楽の湯の営業時間は午前10時~24時。だから月例川崎マラソンの後でも開店を待たずにお風呂に入れるのだ。
定休日はなし。年中無休だ。ただし保守・点検のため特別休館日がある。ちなみに、毎月第3水曜日のみ15時から営業開始だ。
というわけで、いざ入店。
スポンサーリンク
数字の4と9を忌み嫌い、験を担ぐ銭湯
玄関はレトロな木札の下駄箱。何番に入れようか、と空いている下駄箱を探していると、あることに気づく。
4と9がないやんけ。
333→335と4が付く334を飛ばしている。また、4が付く340番台も忌み嫌い、330番台から350番台へ飛んでいる。9についても同様だ。
えっらいゲン、担ぎよるな。
けど6はひっくり返したら、9なんやでぇ。
小生のNIKE厚底シューズ28cmは無事、下駄箱に収まった。木札を持ってフロントへ。
館内着・タオルは入館料金とは別
志らくの湯は前金払いだ。入浴料金は土日祝日が1,170円(税込)、平日は990円(税込)。平日アンダー1,000円は安い方かな。ちなみに入館できるのは5歳以上からだ。
館内着やタオルは付かないけど、銭湯ランはタオル持って走るから問題ない。もちろんレンタルもあり、館内着は210円(税込)、タオルセット(バスタオル&フェイスタオル)は210円(税込)のレンタル料金だ。
フロントでタオル有無を尋ねてくれたほか、脱衣所ロッカーが100円のコインバック式なので、100円玉を準備するよう伝えてくれたのは親切だった。
で今回は入浴料金だけ1,170円を支払う。下駄箱の鍵は自己保管だ。
それでは風呂場へ向かう。渡り廊下を過ぎ、突き当たりの縄文土器(レプリカ?)を右手に曲がると男湯だ。
スポンサーリンク
脱衣所にも4と9がない!
スーパー銭湯にしては、志楽の湯の脱衣所は小ぢんまり。四角い間取りの中に、壁側2面をL字にロッカーが設置されている。それにプラスして中置きロッカーが1台設置。
縦長ロッカーが端っこに10個くらいあるのを除いて、他全てのロッカーが正方形の大きさ。ただ奥行はあるので、小生のサロモントレイルブレイザー20Lは余裕で収まる。けど仕事帰りには少しせまいかな。一方、縦長ロッカーは人気のためか、数が少ないためか、全て使用されていた。
ロッカーも玄関の下駄箱同様、
番号に4と9がない。
ロッカーの最後の番号は200くらいだから、ロッカー総数は120くらい?
で選んだロッカーは・・・
66番。
逆さまにしたら99やで。君らの努力は無に帰すんやで。
鍵はカールコード。ゴム紐でないからグッジョブ(小生はプチ潔癖)
脱衣所内を見回すと、ウォータークーラーとデジタル体重計が各1台。そして、髭剃りの自販機と飲料水の自販機。洗面所は3つで年式の新そうなドライヤーが2機ある。ドライヤーは無料で使用可能だ。
あと洗面所には、化粧水が顔と頭用に1セット。綿棒が1箱。耳垢ウェットだからありがたい。で、洋式トイレが一つ。
以上、スーパー銭湯にしては、割とミニマルな志楽の湯の脱衣所。照明がオレンジの間接照明(ダウンライト)なので、「ムーディーな感じだな」とだけ、この時点では感じたのだが、浴室へ行くとこれは間違いで、驚きに変わったのだった。
縄文時代の太古に公衆浴場があったらこんな感じだろうな
浴室に入ると、「縄文の道」なる通りが壁伝いにまずある。その右手に洗い場、奥に内湯、左手に露天風呂のようだ。
この縄文の道、コンクリートの上にロープの跡をつけ、凸凹にしている。縄を使って模様を入れているところに「縄文」という古代コンセプトを感じ、感心した。そしてこの凹凸が足ツボ刺激の効果があると謳っている。
縄の跡が綾目に入っているだけで、突起ではないからそんなに痛くない。
オレが健康ってことか!(自画自賛)
んなわけねーかw
で縄文の道の右手に洗い場が広がる。
スポンサーリンク
年季を感じるアンティークな洗い場
洗い場は、脱衣所側の壁にカラン4、4+4の島カランが1列、5+5の島カランが2列の計22。
個人間の衝立はないが、間隔が広いので、あそこが小さい小生は見られづらくて安心w。
洗い場はタイル貼りでなく、石混じりのコンクリート床に石のレンガを積んだ壁。そして鏡は横長の長方形で大きめ。でも鏡とカランは水垢がこびりつき、暦年の使用感を感じる。
あれ、ここってそんなに古いの?
と思うほどの使用感だ。しかも壊れているカランや鏡がない席も見受けられる。
よく見ると、カランはほとんど混合栓だが、水とお湯が別のカランもある。
シャワーは白いホースタイプ。ホースタイプだとカラダの好きな部位にかけられるからいいね。けど、これは比較的白がキレイで使用感少なし。シャワーはボタンをプッシュするタイプとレバーを上げ下げするタイプも混在している。
なんでやろ?
ま、ええか。カラダを清める。
シャワーヘッドは割と最近のタイプでなかろうか。きめ細かい水流が出るタイプだ。また温度調整が可能なので、水も出せる。
シャンプー・ボディーソープの備え付けアリ
志楽の湯には、リンスインシャンプーとボディーソープのセットが2人に1セットくらいの間隔で設置されている。無料で使用可能だ。kuracieの業務用だ。
カラダを洗っていると結構寒い。志楽の湯に訪れたこの日は、月例川崎マラソンを走った後、カラダが冷えて寒かったので、お風呂に浸かって温まりたい!と思ってきたけど、洗い場が結構寒い。換気がいいようだ。
洗い場の照明は、カラン上に置かれているオレンジランプしかないので、ここもムーディーな感じ。
カラダを清めたら、さて温まるぞと内湯へ。
スポンサーリンク
だだっ広い天然温泉の内湯
先程の縄文の道を行くと、右手に岩を掘った浴槽とタライの浴槽、そして左奥にだだっ広い黒湯の温泉が現れる。
四角い浴槽は本当に広くて7〜8m四方くらいあるんじゃないかと。プールみたいで子どもは泳ぎたくなるだろう。
褐色の湯は、はるか太古に地中に閉じ込められた海水が長い年月を経て、海草や草木が溶け込み熟成された「化石海水」。しかもミネラルやナトリウムなどの温泉成分が高い「高張性」だ。つまり家系ラーメンに例えるなら
濃いめ。
浴槽内には段差がある。透明度が低い褐色のお湯ゆえ、気をつけて進む。水温計はないが体感的には40度?くらいのぬるめ。お湯の注ぎ口に近づくと42度くらいの熱めなので、浴槽が広々とした分、箇所によって水温に差がありそうだ。
しっかし、ほんとに広い。志楽の湯の浴場は中庭の露天風呂を囲むように、縦に長いL字の間取り。Lの短い部分に当たるがこの温泉だ。露天風呂側の壁は掃き出し窓になっている。外光が差し込むが、庭の生い茂る草木でそれほど採光性は高くなく、薄暗くムーディー。落ち着く。
浴槽内に木の柱が1本、どでんと雄々しく建っている。3辺の中央あたりに安山岩もどでんと置かれている。浴槽の縁に頭を載せてゆったり浸かって、中を眺めているとわかってきた。
古代のお風呂っぽいな。縄文時代の。そういうコンセプトか?
竪穴式住居みたいな天井だし、水温計や掛け時計みたいな近代文明の機器も、そういえば見当たらない。古木や廃材の板を使用したような丸太のベンチや壁。
そして前述の洗い場。明治・大正を思わせるようなアンティークな面持ちだったが、もしかして廃業した銭湯のカランや鏡を使っているとしたら?(実際は分からない。ホントに経年劣化かもしれない)
「縄文の湯」というコンセプトに従っているのか?と思い始めたら、その確認をしてみようと次の風呂へ行くことにした。
次は大きなタライの風呂へ。壁には「味噌樽風呂」と書いてあった。樽は朽ちた部分もあり、ホントに味噌を発酵させていたかのような雰囲気。でも味噌の匂いはしない。お湯も色がついてない白湯だ。人間味噌汁みたいになったら面白いのに。
で、樽だけど深くない。体育座りで十分な深さ。大人四人が体育座りで東西南北に浸かっていたら満杯かなというくらいの広さ。ここも場所によって感じる水温が変わるが、40〜42度くらいだろう。
もう一つの岩をくり抜いた風呂は水風呂だった。内湯は以上。あとはサウナがある。だだっ広い温泉と味噌樽風呂の風呂2種類だけ。志楽の湯には立ちシャワーもないのだ。
スポンサーリンク
露天風呂も温泉だ!
続いて露天風呂へ。板塀に囲まれて、土に笹や木を植えた庭に、石造りの露天風呂がある。まさしく自然に囲まれた露天風呂。お湯は濁っている。そう、露天風呂も温泉だ。
露天風呂にも段差がある。お湯が濁って底が見えないので、手摺りに掴まって注意深く進む。手摺りは丸太だ。
浴槽内の床は平らじゃない。石が迫り出し、凸凹している箇所がある。底が見えないうえに凸凹とは、こりゃやばい。要注意だ。なんかいつかTVで見た、河原で石を集めて作った露天風呂みたいな感じだ。
この露天風呂も場所によって温度が変わる。注ぎ口は熱いが、ぬるい箇所もあり、40〜42度くらいかと感じる。水温計は見当たらなかった。
志楽の湯の露天風呂も広い。そして風呂内の一部には屋根が建っている。屋根があるから雨でも雪でも露天風呂を楽しめるね。で、屋根の梁の目立たないところに掛け時計がかかってた。
これ、古代風呂のコンセプトに則って、文明たる時計を目立たないようにしたのかもしれないが、気づかれないんじゃ意味なくない?と思った。
気温が低くなると、露天風呂の水面から白い湯気が立ち込めて、とても風流。落ち葉も水面に浮いている(紅葉だったら、いとおかし)。
おら、なんだか湯に浸かってる人間が猿に見えてきたぞ。
ターミナルの川崎駅の近くなのに、秘境の温泉に来た気分になる。
スポンサーリンク
ドライサウナもある!
じゃ次は、さっきの水風呂の隣にあるドライサウナだ。サウナは別料金でなく、入浴料金で入れる。サ室ドアにはコロナ感染拡大防止のため、「10人の入室制限」と貼ってある。
サ室に入ると、中は縦長。入ってすぐ左手にストーブがあり、L字に二段式のタワーサウナだ。さっきドアに貼り紙で「10人制限」とあったけど、間引きしないで普通に座っても10人でちょうどいい広さ。言い換えると、個人的距離をとるなら8人ぐらいの制限になると思う。
サ室内はあらかじめマットが敷かれている。個別にサウナマットはないので、他人のかいた汗が気になるプチ潔癖の小生は、マットを折ったりして座った。ちなみに浴場滞在中にタオルの交換は来なかった。
さすが古代風呂がコンセプトだからか、サ室内にTVはなし。己に向き合うのみ!
けど、温度計と12分計は壁に掛かってたw。サ室に時計は必要だよね。温度計は93度あたりを指していた。最初は空いていたけど、午後になったらだんだん混んできた。休日は時間早めか遅めがよさそうだ。
サウナの後は先程の水風呂へ。志楽の湯に立ちシャワーはないから、近くのカランのシャワーで汗を流してから水風呂に入る。水温計が壁に付いていて、16度を示していた。この岩をくりぬいた水風呂は、ギリギリ3人くらい入れるくらいの広さだ。いかんせん狭いので、サ室を出てきた人を見て、譲り合いの精神で。
2人くらい腰掛けられる古木の丸太ベンチが浴場内に2つほどあるが、露天風呂があるので外気浴が可能だ。しかし休憩エリアはない。古木の剥き出し丸太ベンチ(2人掛けくらい)が一つと、一人掛けの切り株椅子が一つくらい。あとは周囲のゴツゴツの岩に腰掛けるくらいだ。座り心地は良くないが自然の中で外気浴してる気分になる。
昭和レトロを通り越し、アンティークをも通り越して、古代風呂へのこだわりと徹底を感じた、趣のある隠れ家的スーパー銭湯だった。ここ、人におすすめしたくなるよ。
スポンサーリンク
宿泊プランもある!
フロント過ぎたところのロビーには民芸品のほか色々販売している。もちろん他のスーパー銭湯同様、食事処やマッサージ処、エステ、休憩処もある。古民家をリノベーションしたかのような内装。古いけど清潔感がある。
また宿泊プランもある。宿泊場所は隣にある川崎生涯研修センター。渡り廊下で志楽の湯と繋がってる。用意周到だw。川崎駅にほど近い矢向で一泊4,800円(税込5,430円)・朝食付きの温泉宿って考えれば、アリなのかもしれない。